うつ。その病気による痛みを知り、消すための方法を知る

もっと理解しようメンタルの世界

心おどる喜びを感じることがあります。ほうっておいても笑顔になれるような、そんな喜びに包まれることがあります。逆に、ハートが真っ二つに裂ける映像がまざまざと思い浮かぶような、痛みを感じることがあります。
アップサイド・ダウン、それが人の心というもの。
とはいえ、単純な「痛み」としては片づけられないこともあります。病院で治療すべき「うつ」によって、その痛みが引き起こされている場合です。

うつ病によって私たちが経験することになる痛みは、心から体へ、私たちの存在自体を蝕んでしまう危険なものです。 ここでは、その内容について探り、うつ病を解消するために私たちが出来ることは何かということを、明かしていきましょう。

磁気刺激治療

カウンセリングから始める

うつ病になったら抗うつ剤を飲む。このことは、言うなれば風邪を引いたら風邪薬を飲むことと同じように、「鉄板の方法」でした。
薬を飲むことで、心身に現れる症状を改善させることが出来る。痛みを取ることが出来る。そういう考え方があったわけです。もちろん、それは効果的な方法です。
抗うつ剤はさまざまな種類があり、よく効くように改良されてきましたし、副作用を極力排除したものも出ています。

ただ、やはり副作用が完全に消え去ったわけではありません。
飲む量を間違えたり、適していない薬を飲んだりすると、うつの痛みが取り除かれる代わりに、別の痛みをしょいこんでしまうということもあり得る抗うつ剤。
それに対して、治療後に副作用を出すことがない、画期的な治療方法として認められつつあるのが、磁気刺激治療というものです。
磁気による刺激を体に与え、それによってうつの痛みを取り除こうという方法となっています。具体的には、うつを引き起こす脳の働きを正常に戻すのが、磁気による刺激の効果です。
「経頭蓋磁気刺激」という名前でも呼ばれることからわかるように、頭蓋、つまり頭蓋骨を通して脳に磁気を照射し、微小な電気刺激を与えるというのがこの治療の概要です。
その刺激によって、脳の神経細胞を行き交いしている神経伝達物質の働きを活発にすること。そのことによって、うつ状態を改善しようという方向性が取られています。

磁気刺激治療は、2008年にアメリカで確立され、2012年に日本で紹介されました。
全国にある精神科、心療内科の病院の総数に比べて、この治療方法を採用しているところはまだ多いとは言えない状況にありますが、逆に言えば、この方法で治療してくれる病院を探せないということはありません。
治療を受けている間は、電気刺激によってちょっとした頭痛を感じることもあると言われていますが、治療後には副作用はほとんど見られないという画期的なものです。